あなたが時間を使うべき部分とは?
「記事を書く時間が2時間あれば、最初の1時間45分をかけて、よいリードを書くのが最適な時間配分だと思っている。そうすれば、あとは簡単に書ける。」
とは、とあるトップ、ジャーナリストの言葉。
FROM:寺本隆裕
人に何かを伝える文章を書くものとして、我々コピーライターは、新聞記者などのジャーナリストに学ぶべき点がたくさんあります。
新聞やニュースを見るとわかる通り、記事の最初の数行。ニュースの場合はそのニュースの最初の数秒で、その要点をつかむ事ができます。
「今日夕方。東京都港区の路上で、バイクに乗った2人組の男が帰宅途中の女性のハンドバッグをひったくるという事件が、立て続けに3件起こりました。」
など、この部分をジャーナリストは「リード」と呼んでいるのですが、このリードの部分を読むだけでニュースの要点や全体像をつかむ事ができます。もしこのリード部分を読んで記事が気になれば、続きを読み進める事ができますし、気にならなかったり急いでいれば、続きを読み飛ばして別の記事のリードに進む事ができます。
記事の読者である僕たちにとってリードの存在はありがたいのですが、新米ジャーナリストはこのリードの部分を書くのに失敗する事がよくあるそうです。これは、コピーライターが犯す、よくある失敗とも共通しています。
その理由を、
”記者が細部にこだわるあまり、メッセージの核となる部分(読者が重視したり面白く思う事)を見失ってしまうからだ。”
と、あるジャーナリズムの専門家は言っています。
さて、我々コピーライターは、ここから何を学べるでしょうか?
この教訓をどうすれば、コピーの成約率アップに生かせるのでしょうか?
コピーライティングを学んでいると、様々なテクニックや使ってみたい表現方法が増えてきます。よくできたスワイプファイルを見つけたら、「この言い方、使いたい!」と、思う事もよくあります。でもそれは所詮、「どう表現するか」という小手先のものに過ぎません。ジャーナリズム的にいう所の「細部にこだわる」というところです。
これを避けるためには、僕らはコピーの素材を集めてからスグに書き出すのではなく、その中で伝えるべき核となるメッセージは何か。読み手に衝撃を与えられるような、中心となるアイディアやテーマは何か、、、といったことを、書く前に十分練っておく必要があるのです。
スーパーSEの仕事術
そういえば、僕が以前システムエンジニアをしていたときのこと。2年ほど50歳くらいのベテランSEと一緒に仕事をしていた事があります。社内の多くの人が彼の事を尊敬していて、何か困った事があればすぐに彼に相談しに行っていました。
彼は帰宅時間が早い事でも有名でした。
夜の10時、11時まで会社にいるのが普通の業界で、彼は7時には会社を出ています。彼は社内の人ではなくパートナー会社からの出向だったので役割が違うということも多少ありましたが、それでもほかの出向者よりもはるかに早く帰宅していました。
僕は彼の仕事術を盗もうと、仕事のやり方を観察したり飲みに誘ったり(連れて行ってもらうのではありません)して、色々と話を聞いたりしたのですが、一つ他の人と大きく違うことがありました。
SEの仕事には、「ドキュメントを作る」という仕事がとても多く、設計書や仕様書。提案書や会議の資料まで、色んなドキュメントを作ります。彼もたくさんのドキュメント制作の仕事をしていましたが、やり方は他の人とは違いました。
例えば、10日間かけて1つのドキュメントを作るという仕事があったとします。普通の人は、そのドキュメントを、毎日10分の1ずつ書いていくというやり方をするのですが、彼はそうではありませんでした。10日間あるとしたら、5~7日くらいは、そのドキュメントの「インプット」となる資料を、メモを取りながらひたすら読み込んでいるのです。インプットの資料を読み込んで内容を整理し、疑問点を解消しながら、ドキュメントを書く「準備」を徹底的にやります。
そうやってドキュメントに書くべき「ポイント」を明確にしてから、一気にアウトプットしていきます。ポイントが明確なので、書き出してから迷う事も手戻る事もほとんどありません。こうすることで、早いスピードで、優れたアウトプットを出す事ができていたわけです。
インパクトのあるコピーを書く方法
強いインパクトのある、印象に残る文章を作る第一歩。それは、
中心となるポイントを見極める事。
そして、それ以外のものを取り除く事です。
「3つ言う」は「1つも言わない」のと同じ事だと言われます。勇気を出してメッセージを絞り込みましょう。コピーを書く前に、まずは書くための材料を徹底的にリサーチし、その中から中心となるポイントを探し出しましょう。
冒頭の言葉、
「記事を書く時間が2時間あれば、最初の1時間45分をかけて、よいリードを書くのが最適な時間配分だと思っている。そうすれば、あとは簡単に書ける。」
を思い出してみてください。
リードというのは、記事全部のうちの1割にも満たない分量。これは、そこを書くのに、全体の時間配分の8分の7を費やすべきだというアドバイスです。僕らもここから、労力をかけるポイントや時間配分を見直す必要があると思いませんか?
PS
労力をかけるポイントを、ステップバイステップで知りたい?
なら、これがオススメ。
↓
15ステップコピーライティング
「ムダに労力をかける」ことを避けられますよ。
「どう伝えるか」よりも
「何を伝えるか」が問題。
自社商品の何をお客さんに伝えたいのかを
徹底的に調べて選ぶために
リサーチが8分の7必要。
核となる物が固まれば
伝えたい事が
スムーズになるのですね
勉強になりました。
このためになる情報をどう活かすかですね。
実践しない人は問題外。
実践する人であっても、たった1回で終わったらアマチュア。
実践し、それを今後もずっと継続できる人はプロ。
こういう記事を読んでると、『継続は力なり』って言葉が、どれだけ大切で重要な言葉なのか認識させられますね。
段取り8割、実行2割
寺本さん
お子さんとの写真から、すごく人柄や信頼感が伝わってきます。
自分にも4歳になる娘がいるのですが、
なかなか人前に晒すというのは勇気が言ってできません。
でも、だからこそ、それをやることで、
自信や人柄や正当性を訴えることができるのですよね。
やってみます!
寺本さん
おはようございます
いつもいつも有益な情報をありがとうございます。
絞れば絞るほど、量は少なくなる。
でも、出る確率は物凄く高くなる。
この言葉をどこかで見たことがあります。
ジュースのCMだったかな??
コピーと関係ないやーん!と言われそうですが、その一言が僕にコピーのアイデアをくれたと感謝しています。
毎日見るスポーツ新聞、おっちゃんたちが電車の中で読み終わったものの第一面を何とか読んでやろうとしているのは僕だけでしょうかね?^^;
あの引きつけるメッセージを記者たちは毎日書くのですから、そうとうの書く訓練をしているんだろうなぁと感じてしまいます。
今回は特に重要なポイントを教えてくれていると思います。ジャーナリストの言うリードの部分がもっとも重要で時間内に処理するために一日の分の仕事量を決めるような作業をしては結果が出ない。法人営業でたとえると一日に多数社回るより、取引を成立した場合にもっとも効果が大きい法人の絞り込みをする、その相手の分析と相手にメリットを感じさせるプレゼンの内容、プレゼンに入る前の相手に興味を強く持たせる「リード」に時間をかけた方が遥かに効果が上がる。「絞り込み」と効果的なコピーの内容の全体像を先に仕上げた方が時間効率もぐっと上がりますね。