売れない「いい商品」がいっぱいある理由

いい商品はいっぱいある。
いい会社もいっぱいある。

なぜならほとんどの人は、自分の得意な事、自分の好きな事を一生の仕事にしたいと思ってビジネスをスタートするからです。

FROM:寺本隆裕

料理が好きだからレストランを開く。
美容師としての腕を磨いて自分の店を持つ。
花が好きだから花屋を開く。
焼き物が好きだから工房を開く。
英語が得意だから教室を開く。
あるいは、誰かの会社を継承することもあるのかもしれません。

いずれにせよ、多くのビジネスが商品やサービスからスタートしています。当然そういうビジネスは、自分の商品に対する強い思い入れ、自分の技術に対する自信、責任や誇りを持っています。

そして実際、とてもいい商品だったりします。

僕は色んな会社の社長さんと会う機会がありますが、本当に自分のところの商品について自信と誇りを持っています。例えば社長さんと話すと、いつもこういう話になります。

「今、宣伝をがんがんやってる有名なA商品あるじゃないですか。あれ、絶対買わない方がいいですよ。なぜなら、○○○○○○で○○○○○○だからです。質が悪くて絶対後悔しますよ。自慢するわけじゃないですが、うちのところで扱ってる○○○○○○は、Aよりも若干高いですが、長持ちするし使い勝手もいいですよ。Aは結局すぐに使えなくなって買い替えないといけなくなるから、トータルでいくと余計お金がかかるんです。そもそも、長くちゃんと使えるくらいの品質のものを作ろうと思ったら、Aの値段じゃ作れないですね。まぁでも宣伝が上手いからAを買ってしまう人が多いんです。」

実際、その会社に寄せられた「お客様の声」を見てみると、「とても品質が良くて満足している。」とか、「他社と比べてとても丁寧に応対してくれたので感謝している」といったものが多いです。

売れない「いい商品」

でも、この「いい商品」が同じジャンルの他社の商品よりも圧倒的に売れてるか、というと、そういう事はありません。商品品質が上がれば売上が上がるわけではなく、一番うまくマーケティング/セールスをされた商品が一番売れるのです(何度も言う通りですが、、、)。つまり、、、

こういった「いい商品」が、世の中には文字通り「埋もれて」います。

そこで活躍するのが、我々コピーライターです。

彼らは優れた商品、優れたサービスを作る専門家。
一方我々コピーライターは、専門家と買い手の橋渡しをする専門家。

セールスなんて、やりたくない!

以前参加したダン・ケネディのセミナーで、あるプレゼンテータは、

「ほとんどの会社は、マーケティングやセールスなんてやりたくない。彼らは商品を作ったりお客さんと話したり、サービスを提供したくて会社をやっている」

と言っていました。

まさに、そのとおりだと思いました。

我々のようなマーケティングやコピーを積極的に学んでいる人には少し、理解しにくい価値観かもしれません。でも実際世の中を見てみると、我々の方が少数派だということに気づくと思います。

最初に言ったように、多くのビジネスは自分の「好きな商品」や「得意な事」からスタートしています。彼らはおいしい料理を作る事が好きなのです。花をきれいに育てるのが好きなのです。。。

優れた商品、サービスを持っている会社はたくさんあります。あなたがもし、これからビジネスをスタートしようとしているなら、何も彼らに対抗するような商品やサービスを作る必要はありません。

商品は既にあります。
それを必要としている人も既にいます。

我々はコピーライターとして、彼らの架け橋になればいいのです。

寺本隆裕

PS
こういった「架け橋になるスキル」を学んでいる人は少数派だから、一般には理解されにくいこともあると思います。誤解される事も多いでしょう。(あなたも、誤解された経験や馬鹿にされた経験があるのでは?)

でも、「運転免許」を持っていて自動車運転のスキルがある人よりも、「スワヒリ語」の同時翻訳のスキルを持っている人の方が価値が高いように、少数であることはそれだけで一般的に価値が高いのです。しかも、このような「売る」スキルは、全てのビジネスにとっての必須のスキル。

つまり需要に比べて供給が遥かに少ないスキルなのです。。。

PPS
スパイ・ダンケネディ・コピーの「ウェルカム・パッケージ」に、「コピーライターがクライアントを獲得するためのセールスレター」のスワイプファイルを2つ、追加しました。

こちらから

http://www.theresponse.jp/dankennedy/spycopy/


Facebookにコメント

  1. あびこ さん: 2010年05月26日 19:19

    大変面白く拝見しました。
    その為,より理解したく質問させて頂きます。

    冒頭の社長の会社の製品はなぜもっともっと売れない(売ろうとしない)のですか?

    自社製品について誇りを持っていらっしゃるので、現在より売ろうとして宣伝はしないということなのでしょうか?
    それとも単に宣伝下手だというお話しなのでしょうか?

  2. 橘高哲朗 さん: 2010年05月26日 17:24

    今はWeb制作の仕事に携わっていますが、
    自社の商品については誇りも自信も持って語ることが
    できるのに、ことお客様のことになるとほとんど情報を持っていない、
    意識していない、というクライアントは珍しくありません。

    「架け橋になるスキル」

    は、今一番私が身につけたいスキルですね。

  3. TakayukiSaito さん: 2010年05月26日 16:51

    良い商品が売れるとは限らない・・・

    いくら品質が高くても、それを売る技術が
    なければ売れない。

    通販やテレビショッピングで販売されている
    商品が全て素晴らしい商品かと言えば、
    そんなことはないと思う。

    が、しかし、ついついそれらの広告や宣伝に
    引き込まれ購入してしまう。

    これがまさに売る技術である。

    コピーライティングは、良い商品が当たり前
    のように売れる市場をつくる為のスキル・・・
    でもあるのだと思う。

  4. 平野修司 さん: 2010年05月26日 14:10

    メルマガ拝見してます。全く同感です。寺本さんの文章はいつのまにかひきこまれて、そのまま最後まで読みきってしまいます。さすがプロですね^^

  5. SMILE さん: 2010年05月26日 12:34

    「良い商品」と「売れる商品」は違うと思います。値段にもよるし宣伝力や見た目にもよると思います。「良い人」と「結婚できる人」の違いのようなものかもしれません(笑)自分のコピーで売れる商品ができたら嬉しいでしょうねぇ。自分のコピーで売れた商品がいまいちでも嬉しいのでしょうか?

  6. 大黒屋彰 さん: 2010年05月26日 12:06

    「良い商品を作る人」と
    「良い商品を必要としてる人」を結ぶ、

    キューピットの役割を

    「コピーライター」はしているのでしょうね。

  7. 中島シンジロウ さん: 2010年05月26日 11:44

    コピーライターとして仕事を受注するためのセールスレターの
    キャッチコピーに

    「あなたの好き!をお金にします。」

    っていう言葉が思い浮かびました。

    ちょっと刺激的すぎかな。具体性がない?どうでしょう?

    商品やサービスに愛があるのであれば
    世の中に積極的に広めなくてはいけませんよね。

    「ビジネスは自分の理念を世の中に問う行為」
    (ジェイ・エイブラハムさんでしたっけ?)

    素晴らしい言葉だと思います。

  8. 真崎四郎 さん: 2010年05月26日 10:41

    なんかそんな社長さん応援したくなりますね。

    作り手は作り手の誇りがあるでしょうし
    買ってもらったお客の感謝の言葉が
    凄い励みになるでしょうね。

    同じことがコピーライターにも言えますね。
    ライバルの商品と同じように売れるコピーを
    提供できれば

    それはコピーライターの誇り、勲章のようなものですね。

    人を幸せにする職業…

    寺本さん、いい職業を選んだものですね。

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