こんな仕事もう嫌だ…(ノД`)シクシク
From:寺本隆裕
大阪の長堀通という大通りで、
タクシーを止めようと手を挙げました。
ハザードを点けて減速したのは、
見た目は普通の黒タクシー。
(大阪では黒タクシーがスタンダードです)
でも、近づくにつれ、
「いつものとは違う」と思いました。
普通のタクシーとは違った雰囲気が漂っているのです。
大体、タクシーの運転手さんは愛想が悪い。(ですよね?)
でもその運転手さんは、
僕が手を挙げて止めた時から、とてもニコニコしていて、
フロントガラス越しに何度も会釈をしてくれていました。
ドアが開いて乗り込むと、
「ご乗車、ありがとうございます!」
と、笑顔でこっちを見ながら声をかけてくれます。
年齢は大体、50歳前半といったところでしょうか。
白髪が混じり、丸いメガネをかけた優しそうな人です。
「ドア、閉めますんで気をつけてくださいね。
お客様、ご乗車ありがとうございます。
どちらまで行かれますか?」
「◯◯まで」
「はい、かしこまりました!
どちらのルートで行きましょう?」
「あ、お任せでお願いします。」
「わかりました。
では、しばらく真っすぐ行って、
◯◯通りから行きますね」
10分後、、、
「こちらが◯◯ですが、
どのあたりにお停めしましょう?」
「停めやすいところで大丈夫です」
「かしこまりました。では、こちらで。」
支払いを済ませ、、、
「本日はご乗車頂き、ありがとうございました!
お忘れ物ありませんよう、お気をつけください。
頭、足元、注意してお降りくださいね。
ありがとうございました!」
なんやろ、
タクシー乗っただけやのに、
めっちゃ気持ちいい!
運転手さんとはほとんどしゃべっていません。
最初と、最後だけです。
それに、上の会話のやり取りは「普通の」やりとりです。
(「お喋り好き」運転手でもありませんでした。)
が、、、
彼の笑顔や雰囲気。
丁寧で、言葉の上辺だけでなく、
本当にこちらを気遣ってくれてる感じ、、、
(運転も荒くありません)
一生懸命さ。
タクシーでこんなに満足したことないんちゃう?
というくらいでした。
とはいえ、彼のような運転手がいる一方、
無愛想で態度の悪い運転手もいますよね。
例えば、、、
僕は出張用の大きなスーツケースを持って
タクシーに乗ることがよくあります。
手を挙げてタクシーを停めると、
運転手さんは僕の荷物を見て、トランクを開けます。
で、恐らくそういった荷物は、
運転手さんがトランクに入れるべきなんでしょう。
(タクシー会社からはそう指示されているはずです)
でも、明らかに、
運転手は運転席からトランク側に回ってくるのが遅い。
なので結局僕が重いスーツケースをトランクに入れ、
で、運転手は入れ終わった頃にトランク側に回ってくる。
降りるときも、
一応運転席から降りてトランク側に歩いてこようとするものの、
動きがあまりにゆっくりなので、
僕が既に荷物をおろし、トランクを閉め終わっています。
降りてきたんは形だけやん!と、
やる気ないのが丸見えです。
さて。
とはいえ、
最初の一生懸命な運転手さん、そうでないやる気のない運転手さん、
僕がリピートするのはどっちでしょうか?
→名前もわからないので、リピートできません。
し、恐らく2度と会うこともないでしょう。
高い運賃を受け取るのはどっちでしょうか?
→乗った距離によるので、どちらとも言えません。
タクシー会社から評価されるのはどっちでしょうか?
→もしかすると、満足した乗客の中の
ほんの一部の人からタクシー会社に電話があって、
「あの運転手さんよかったわ」という報告があるかもしれません。
それが何件か重なると、ちょっとしたお褒めの言葉をもらえるかもしれません。
が、、、確率は高くないでしょう。
しかし、、、
毎日が楽しいのはどっちでしょうか?
朝、明るい気持ちでベッドから出るのはどっちでしょうか?
充実しているのはどっちでしょうか?
目の前の仕事。
一生懸命やろうが、手抜きしようが、
労働時間は一緒かもしれません。
金銭的な報いは一緒かもしれません。
社会的な評価は一緒かもしれません。
(誰も見てないから、とか、どうせ1回だけの取引だし、とかね)
でも、、、
その仕事の充実感は全然違うはず。
仕事は人生の一部に過ぎません。
でも、仕事は時間にして人生の大部分を費やす、
大きな一部です。
だから、仕事への充実感は、
人生の質を大きく左右します。
そしてその充実感は、
自分自身の心の持ちよう一つで決まります。
「どんな仕事をするか?」ではなく、
「どういうふうに仕事に取り組むか?」で決まるのです。