潜在意識をコピーに活用する秘訣
From:ジョン・カールトン
悪戦苦闘中のライターたちへの
ワンポイントアドバイス
「疲れている時に、
書こうとしないこと」
とてもシンプルな秘訣ですが、
ほとんど無視されています。
なぜなら、
ほとんどの人は、書くという作業の
肉体的、精神的仕組みをはっきりと
理解していないからです。
私が仕事を始めて間もない頃に
出会った社長やマーケティングを
担当する副社長たちは、
雇っているライターたちに劣悪な
状況下でコピーを書くよう要求し、
大きな成功を収めるチャンスを
台なしにしていました。
責任者自身が人生で一度も
コピーを書いたこともなければ、
書こうとしたこともないということは
よくあります。
彼らはセールストークを作りだす
能力を、謎めいた魔法のようだが、
とりたてて特別な力ではないと
考えていました。
単に、変わり者がタイプライターを
使ってやる仕事で、尊敬に値しない
能力だと思っていたわけです。
こういった愚かな考えが
ビジネス界に蔓延していました。
最悪の例は、
私がフリーランスで仕事をしていた
主要代理店の副社長でした。
彼には、その過酷な命令のもとで働く
正社員のライターが二人いました。
その副社長は、
二人の机を向かい合わせで置いた、
狭くて窓のない部屋で
仕事をすることを要求しました。
話すのも禁止。
机の上に置いていいのは、
いつも紙が一枚だけ。
壁に写真を飾るのも許さず、
ライターの一人が手元を照らす
私物のランプを持ち込んだ時には、
激怒しました。
そして、
彼がドアから顔をのぞかせた時は、
二人はいつでも
コピーを書いているようにと
指示しました。くつろいだり、
考えたりしているところを
見つかろうものなら、
大変なことになります。
まるでスターリン時代の
強制労働収容所の独房のようでした。
どうりで、高くつく、
私のようなフリーランサーを
雇わなければならなかったわけです。
その二人のライターたちは、
そんな環境では優れたコピーを
書くどころか、まともに考えることも
できなかったのですから。
さらにひどいことに、毎朝午前8時に
ネクタイをきちんと締めて
(女性の場合はぱりっとした
服装にストッキングをはいて)
出勤することを強制され、
そして決められた休憩時間の
午前10時、正午、午後3時、
そして午後5時を知らされるまで、
せっせとライティングに
励まなければならなかったのです。
そのライターたちは疲労感を
絶えず訴えていましたが、
その訴えは聞き流されました。
2つか3つの文をつなぎ合わせるのが
そんなに難しいはずはないだろう、
と言われたのです。
愚痴を言うのはやめてコピーを書け、
と。
フリーランサーだということで、
私は書き方に何の制約も
受けませんでした。私の義務は、
締め切りを守ることだけでした。
最初の頃は、徹夜で書き、
次の日の昼過ぎまで眠るということも
よくありました。自分なりのやり方を
見つけようと実験していたので、
無理やり書くことは拒否しました。
デイヴィッド・オグルヴィは、
マディソン・アベニューに
真の興奮を呼び、
今や伝統となった販売術をもたらした
広告業界の伝説の人ですが、
その彼がライターにとっての
昼寝の大切さについて書いています。
どうしたら疲れないかに
言及するのではなく、
潜在意識の力を利用すること
について述べています。
彼の秘密の方法とは、
プロジェクトに関する
大量の情報を頭に詰め込み、
目覚めた時に何かアイディアが
浮かぶよう心に言い聞かせて、
一眠りするというものです。
理にかなった話だと思います。
脳は筋肉ではなく、地球上の
他のどの器官とも違う、
複雑な聖獣のようなものです。
脳は大量の素材を創造し、処理し、
そして蓄えることができます。
可能性に満ちた世界であり、
思考とアイディアの
壮大な宇宙なのです。
西欧のビジネスマンは
神秘主義じみたものを試すのを
嫌がります。
特に売上が危ぶまれる時はそうです。
彼らは肉体的にコントロールできない
ものを信用しません。
ですから、
潜在意識にセールストークを
「考えさせる」という概念は
多くの人を非常に驚かせました。
それにもかかわらず、
これはうまくいくのです。
私は千回はやりました。
(たぶんもっと、ライターとしての
20年にわたってずっと続けました)
頭に情報を詰め込み、
それから身体が欲するだけ眠るのです。
20分でも、2時間でも構いません。
そして目が覚めたら、そばに
紙とペンがあることを確認します。
なぜなら、ヘッドラインとコピーが
湧き出てくるからです。
湧き出たものを全部捉えられることは
ほとんどありませんが、努力して、
その大部分を捉えられるように
なりました。
起きている間、特にアイディアを
必死に考えている間は、
あなたの最大の敵はあなた自身です。
私たちの意識は頑固で、
真の創造力の邪魔になる
信念や手順から抜け出せないで
いるのです。
しかし眠っている間は、
私たちのもっと深い部分が
創造力を引き継ぎます。
それが、誰もが持っている
真の「隠れた天才」
つまり潜在意識なのです。
疲れている時でも、
情報を詰め込むことはできます。
多かれ少なかれ、報告書を読み、
統計値を記録し、電話で人に
インタビューするといった
単調で嫌な作業ですが。
しかし実際に書く作業を、
あくびをかみ殺しなが
らやろうとしては絶対にいけません。
経験豊かなライターにとって、
疲労を感じるというのは、
昼寝を含め長い休憩を取るべき時間
というサインです。
脳の中で情報が煮詰められ、
いったん落ち着いて、
自然に働き出すようになるまで
まかせておくのです。
ところが経験の浅いライターの場合、
パニックが居座ってしまうことが
よくあります。
とりあえず何かを書かなければと思い、
その後で休憩を取ろうとするのです。
愚かなことです。
疲労を感じながら、
コピーと3時間格闘する。
しかし、
そうして出来上がったコピーは、
1時間眠った後に15分で書いたものの
足元にも及ばないでしょう。
朝の締め切りが迫っていても、
私はためらわずに寝袋にもぐり込んで、
眠りに落ち、夢を見ます。
今でも2、3時間後に時計のアラームを
セットしますが、ほとんどいつも
目覚ましが鳴る前に、
ぱっと目が覚めます。
何が起こっているか、
私の脳は気づいているのです。
私が居眠りをしている間中、
脳はコンセプトやアイディア、
コピーのアングル、特にヘッドライン、
これらを整理するのに大忙しです。
このアドバイスを疑いたければ
疑ってください。私が出会った、
必死に頑張っているライターたちは
ほとんどが疑い深く、
試すことを恐れました。
厳格な清教徒の「勤労倫理」が
私たちの心の奥底に根付いているため、
居眠りは時間の無駄、最悪の場合は、
不道徳な現実逃避とみなされるのです。
ライターたちは、
この提案を笑い飛ばしました。
(トップクラスのライターたちは
決して笑いませんでしたが)
しかしこれは魔法ではありません。
それに、怠慢でもないのです
(もっとも、私自身、かなりの
無精者だと自覚していますが。
それゆえ、私はためらうことなく、
こういう手っ取り早い方法を
採用するのです)
単に、持っている道具を
活用するということです。
脳は筋肉ではありません。
むしろ、図書館や倉庫、
そしてシンクタンクがある
素晴らしい小さな町のようなものです。
そこでせっせと働いている妖精たちは
みな、あなたより賢く、なおかつ、
あなたに完全に身を捧げています。
疲れている時に必死になって
書き上げたコピーは、大部分
捨てられることになるでしょう。
ゴミになるのです。
「仕事の一つでもある居眠り」の後に
書いたライティングの大部分は
(編集を加えることもありますが)、
最終案として残ります。
以上のことを考えてみてください。
さて、私は愛犬と丸まり、
妖精たちに別のプロジェクトの案を
考えさせることとしましょう。
みなさん、お元気で。
PS
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